今回の記事では、メールアドレス一覧をもとに複数人宛のメール下書き(Outlook)を自動作成する方法をお伝えします。
実現したいこと
以下のようなメールアドレス一覧をもとにPower Automateを実行すると、

自身のOutlookの下書きフォルダに以下のようなメールが作成されます。

実装方法
Excelファイル/SharePointリストのどちらを利用するかで実装方法が異なります。
下のタブでExcelファイル/SharePointリストのいずれかを選択してください。
- Excelファイル
- SharePointリスト
フローの全体像は下記の通りです。

データ準備
メールアドレスが含まれたExcelファイルを用意し、下記のようにテーブル化しておきます。
(ExcelファイルはSharePointまたはOneDrive上に保存してください)

トリガー設定
今回は手動トリガーで作成しています。お好みで変更いただいても問題ありません。

メールアドレス一覧の取得
今回はExcelのメールアドレスリストから情報を取得していきます。
場所・ドキュメントライブラリ・ファイル・テーブルについては、作成したExcelファイルに合わせて適宜設定してください。

宛先の用意
ここが今回のポイントとなります。
下書きを作成する場合、宛先メールアドレスは「emailAddress/address」プロパティを含むJSON形式に整形する必要があります。
そこで利用するのが「選択」アクションで、下記の手順で設定していきます。
まずは選択アクションを追加し、「開始」には1つ上のアクションの結果(動的なコンテンツ)から「value」を選択します。

続いて「マップをテキストモードに切り替える」アイコンを押し、テキストモードに切り替えます。

テキストモードに切り替えた後、「マップ」内に下記の式を入力します。
{
"emailAddress": {
"address": ""
}
}
最後に、ダブルクォーテーションの間にメールアドレスを表す列名(動的なコンテンツ)を設定します。(下記の図を参考にしてください)

メール下書きの作成
宛先となるJSONが用意できたので、メールの下書きを作成します。
既定のアクションは用意されていないため、Outlookコネクタの「HTTP 要求を送信します」アクションを利用する必要があります。

URI | https://graph.microsoft.com/v1.0/me/messages |
メソッド | POST |
本文 |
|
コンテンツの種類 | application/json |
※ エラーが発生したり、画像のような「出力」が表示されない場合は、「@{body(‘選択’)}」部分を一度削除し、動的なコンテンツから「出力」を再選択してください。

subject (件名) やcontent (本文) はお好みで変更いただければと思います。

フローの全体像は下記の通りです。

データ準備
SharePoint上にリストを用意し、ユーザー列を作成します。
今回は「Member」と命名し、3名のユーザーを追加しています。
トリガー設定
今回は手動トリガーで作成しています。お好みで変更いただいても問題ありません。

メールアドレス一覧の取得
今回はExcelのメールアドレスリストから情報を取得していきます。
サイトのアドレス・リスト名については、ご自身の環境に合わせて設定してください。

宛先の用意
ここが今回のポイントとなります。
下書きを作成する場合、宛先メールアドレスは「emailAddress/address」プロパティを含むJSON形式に整形する必要があります。
そこで利用するのが「選択」アクションで、下記の手順で設定していきます。
まずは選択アクションを追加し、「開始」には動的なコンテンツから「value」を選択します。

続いて「マップをテキストモードに切り替える」アイコンを押し、テキストモードに切り替えます。

テキストモードに切り替えた後、「マップ」内に下記の式を入力します。
{
"emailAddress": {
"address": ""
}
}
最後に、ダブルクォーテーションの間に「[列名] Email」の動的なコンテンツを設定します。(下記の図を参考にしてください)

メール下書きの作成
宛先となるJSONが用意できたので、メールの下書きを作成します。
既定のアクションは用意されていないため、Outlookコネクタの「HTTP 要求を送信します」アクションを利用する必要があります。

URI | https://graph.microsoft.com/v1.0/me/messages |
メソッド | POST |
本文 |
|
コンテンツの種類 | application/json |
※ エラーが発生したり、画像のような「出力」が表示されない場合は、「@{body(‘選択’)}」部分を一度削除し、動的なコンテンツから「出力」を再選択してください。

subject (件名) やcontent (本文) はお好みで変更いただければと思います。

テスト
テストを実施してみると、自身のOutlookの下書きフォルダにメール下書きが作成されていることが分かります。

まとめ
メールアドレス一覧をもとに複数人宛のメール下書き(Outlook)を自動作成する方法をお伝えしました。
件名や本文を変更したり、TOと同様の形式でCCやBCCを入れるなどカスタマイズしてお使いください。