今回の記事では、Power Automateフロー開発時に下書き保存をする方法と、以前のバージョンを復元する方法をお伝えしていきます。
実現できること・メリット
フローを下書きとして保存できる
メリット①:エラーが残っていても、一旦フローを保存することができる
これまでのPower Automateでは、エラーが残っている状態でフローを保存することができませんでした。
しかし下書き機能を利用すると、エラーが残っていても一旦保存して後で修正することができます。
メリット②:本番運用中のフローに影響を及ぼすことなく裏で開発を進められる
フローの変更を「公開」せずに「下書き」のまま保存しておくことで、運用中のフローに影響を及ぼすことなく 裏で並行して開発を進めることができるようになりました。
フローを以前のバージョンに戻すことができる
メリット:フローの管理/開発の効率が向上する
これまでのPower Automateではバージョン復元ができず、「別名を付けて保存」機能を利用することでバックアップを取っていました。
しかし今回紹介するバージョン復元機能を利用することで、バージョン管理のために「別名を付けて保存」を利用する必要がなくなり、管理するフローの数が減る・開発効率が上がることが期待されます。
前提条件
上記の機能を利用するためには、下記の前提条件を満たしている必要があります。
- 前提条件①:フローがソリューションに入っていること
- 前提条件②:「新しいデザイナー」がONになっていること
前提条件①:フローがソリューションに入っていること
フローがソリューションに入っていない場合は、下記の手順でフローをソリューションに入れておきましょう。
ソリューションの新規作成
まずはソリューションタブに移動し、上部の「新しいソリューション」を選択します。
次の画面では名前等を入力して作成します。
バージョン管理したいフローをすでに作成している場合は、上部の「既存を追加」から「自動化」> 「クラウドフロー」を選択します。
(※まだフローを作成していない場合は、左の「新規」ボタンから作成してください)
「Dataverseの外部」を選択後、バージョン管理したいフローを選択します。
(※「Dataverseの外部」に表示されない場合、「Dataverseから」を選択して探してみてください)
前提条件②:「新しいデザイナー」がONになっていること
フロー編集画面の右上にある「新しいデザイナー」がONになっている必要があります。
利用方法
使い方は簡単で、下書きを保存したい場合は「下書きを保存する」ボタンを、変更を確定して公開したい場合(→本番運用として利用開始する場合)は「公開」ボタンを押します。
また、現在どのバージョンが公開されているのか/過去のバージョン履歴を見たい場合は「履歴アイコン」をクリックすると一覧で表示されます。
ここで過去のバージョンを復元したいと思った場合、右上の復元ボタンを押すことで復元することもできます。
まとめ
今回の記事では、フローの下書き保存とバージョンを復元する方法をお伝えしました。
前提条件はあるものの、フローの管理・開発効率が大きく向上するため、ぜひ一度お試しください。
また、最新の情報・正確な情報は下記の公式ドキュメントを参照ください。